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718ボクスター(982)試乗 [ケイマン]

ボクスター(or ケイマン)に、予定どおり4気筒ターボが搭載され、718ボクスターとして発売されました。形式名が982ですが、車名が718なので以下は718と記載します。

718は車としての完成度はさらに高まった印象です。しかし、予想された通り音と回転フィールが今一つです。

以前乗っていた987前期の2.7Lエンジンは、低速トルクは不足しているものの、高回転では突き抜けるような美しい回り方をしていました。また、高回転でのサウンドも楽器のような澄んだ音でしたが、718は今一つでした。

海外試乗記でもかなり指摘されていたところなので、予想通りでありとくにサプライズはありませんでした。
この音とエンジンのフィーリングをどう思うかが、718の評価のポイントだろうと思います。

今回乗った試乗車です。不思議な色です。軍用機のロービジ色みたいです。
982boxter.JPG

燃費規制から、最近の車はどんどんターボ化されており、ターボ化は要するに世界の趨勢に従っただけともいえると思いますが、ボクスターも初めてターボ化されました。当然ながら、同時にダウンサウジング&レスシリンダー化も行われ、4気筒となりました。前述のとおり、これは以前から予想されていた変化です。

エンジンの本質的な振動バランスからいうと、水平対向6気筒は二次振動までゼロで、いわゆる完全バランスエンジンです(シリンダーオフセットによるわずかな偶力はのこります)。 直6やV12と並んで、もっともバランスの良い気筒配列と言えます。
ひるがえって、水平対向4気筒は、バランスでは本質的に水平対向6気筒より劣っています。

また、6気筒の場合は、左右バンクごとにターボを装着するのが素直な配置です。排気干渉も理論的には起こりません。これが911ターボあるいは、現在のカレラのターボエンジンで行われていることです。

しかし、4気筒の場合はターボの場所とエキゾーストマニホールドの長さが問題となります。シングルターボになるでしょうから、左右のどちらかに寄せてターボを配置した場合は、かなり蛇行させないとキマニの長さがそろいません。そろっていないと、排気干渉がおこりボロボロというような音がするようです。いわゆる昔のスバルの音です。

ということで、今回は718の4気筒エンジンがスムーズに回り、そして澄み切った音を出せるかどうかというところを試すための試乗でした。

比較の対象としては、今のっているR35を挙げます。987のことはだいぶわすれましたので。



なお、実用車として最も大切な低速トルクはNA(M97エンジン)と比較して明らかに増加しており、車全体が軽く感じます。PDKの制御もいつもながら完璧であり、街中でも乗りやすいいい車です。

ポルシェのカタログから切り取ったトルクカーブを掲載します。これで注目すべきなのは、タービンのインターセプトポイントです。言い換えれば、「トルクカーブが水平になる最低回転数」と言えるでしょう。718も718Sも2000rpm以下に来ています。とくに718Sの2000回転以下のトルクに注目です。(718は2LでVTGなし、718Sは2.5LでVTGあり)

718ボクスターのカタログより
718engine.JPG

豊かな低速トルクは確かに乗りやすいです。これは実用車として明らかに優れている点です。まあ、このままでは全車ターボ化されそうなVWの車と同じであり、まあいつものVWの感触です。

ちなみに、ターボラグはほとんど気になりませんでした。踏めばすぐにブーンと加速する感じです。ラグ云々というのは、ダウンサウジングターボではあまり気にならない時代なのかもしれません。

みんカラで新旧の981、982のトルクカーブを比較しているサイトを見つけましたので、リンクしておきます。
http://minkara.carview.co.jp/userid/224462/blog/37610061/

ちなみに、今回は試乗していませんが、718Sでは、VTG(可変ジオメトリターボ)が採用されています。VTGjはディーゼルエンジンでは常識と化していますが、排気温度の高いガソリンエンジンでの採用は驚きました。まあ、997ターボでは採用されていましたが、あれは高価なクルマです。エントリーモデルたる718にまで採用とはビックリです。

今回は久しぶりにポルシェ車に乗りました。718の低速トルクの太さはなかなかいいと思いましたが、
高回転でのパワーはぼちぼちと感じました。もちろん987のような線の細さはなく、明らかに987より速いのですが、速いのはGT-Rで慣れてしまいました。あのような無理やり感のある加速に比べると迫力はないです。
それでも実用的(?)にはまあ十分に速く、今回は718(Sじゃないもの)に試乗しましたが、Sが必要なのかどうか疑問に感じました。718で十分でSにする意味があるかどうかと思いました。高速道路ではおそらくSのほうが良いでしょうが、この低速トルクの豊かさを考えると、どちらでも良いような感じかもしれません。


なお、GT-Rはいわゆるダウンサウジングターボではありません。R35はニュルブルクリンクなどのサーキットを最速で駆け抜けるための車であり、いわゆる「パワー型ターボ」です。
もちろん絶対的に低速トルクが無いわけではありませんが、高回転での爆発的パワーと比較すると低速トルクがないように感じるわけです。下のグラフを718のものと比較してもらうと良くわかると思います。

Nissanのサイトより
eq4isr000002qn1y.jpg


問題のサウンドですが、アイドリング+αでは、「ボロボロ」というような排気干渉?の音がわずかにするような気がします。また、車内にもコモリ音が少しあるような感じでした。低回転では、思ったより音はマシでした。
しかし、問題の高回転では今一つです。987では、澄み切った楽器のような音でしたが、718では高回転まで回しても今一つ音質が澄んできません。
とんでもなくひどい音というわけではありませんが、以前のような「突き抜けるような」感じがありません。DC2インテグラ TypeRのような心に突き刺さるような音が理想ですが、そのような理想からは程遠い感じです。

なお、車外から聞いたときには、低回転では以前のような金属的な音(いわゆる空冷時代のような音)も少しします。高回転では不明です。



乗り心地もかなり良いと感じました。しかし、これも987をだいぶ忘れているので、比較ができません。すくなくともGT-Rと比較すると雲泥の差です。
かすかに覚えている印象では、987はそれなりにガツンガツンとショックが来ていたような気もしますが、そのショックは瞬時に減衰されていたような気がします。GT-Rも減衰は優秀ですが、718はそもそものショックの当たりが柔らかいように思います。

ハンドリングはいつもながら自然でした。ナチュラルで思い通りに動く、ポルシェ伝統のハンドリングでした。
今回乗って思ったのは、ボクスターはこんなにステアリングのセンター付近がにぶかったかな?ということです。全速度域でウルトラクイック(某サイトの感想より)なGT-Rのハンドリングと比べて、適度にダルです。おそらく987もこうなのだったと思いますが、忘れてしまいました。



外見はまあまあいいと思いましたが、987と比較してだんだん装飾過剰になっている印象があります。
どの車でも、なるべくコストをかけずに印象をかえるとなると、細部がごちゃごちゃくしてくるものですが、718もその悪癖?のような感じがあります。まあ、それでも「宇宙船」度が少しアップした程度で結構カッコイイような感じです。すくなくともR35のようなオタク感はあまりありません。
しかし、ポルシェのデザインがだんだんフェラーリ化しているように感じるのはいったいなぜでしょうか。逆にフェラーリのデザインもポルシェ化しているように感じるのはいかがなものでしょうか。


しかし、今回外観でもっともがっかりしたのは、後輪のなんちゃってオーバーフェンダーです。タイヤがはみ出すらしく、申し訳程度のオーバーフェンダーがついています。ネガキャンのせいで、タイヤの下側だけ出るらしく、ちょっとだけフェンダーが後付されています。

こちら
rear_982.JPG

これは何とかならんのでしょうか。日本の法規制の影響だろうとは思いますが、見苦しいです。これは取るか、あるいはフェンダーをたたき出してから売ったらどうだろうとさえ思います。(981からこうだったのかもしれません。よく知りません。)

リヤのスタイル自体はなかなかセクシーです。
982boxter_rear.JPG




981でどうだったのか知りませんが、718ではオプションでネットナビ(オンラインでデータを取る)が装着でき、要するにインパネにタブレットが埋め込んである感じです。拡張性の問題があり評判は微妙のようですが、便利なのかもしれません。しかし、通信料がバカ高いようです。

ポルシェは(少なくとも自分が知っている987からは)このあたりの電気系の出来が悪く、そしてオプションの価格が高いのです。汎用性を高い取り付け法にして、優秀な日本製のナビでもつければよいのではないでしょうか。音質を求める人にはダイアトーンサウンドナビを、また新しいギミックが好きならサイバーナビでもつければよいように思います。

このような走りに関係ないオプションが高いのは、ポルシェの陰謀?でしょう。ポルシェの新車は、オプションを削ってシンプルに買うのがよいのではないでしょうか。
987-2からはクラリオンのナビがついていましたが、つまり汎用品のナビがついているということは、要するに後付のナビ装着が簡単ということを意味します。
今回はPCMが標準装備になったため、そのあたりの改造がしにくくなったのではないでしょうか。さっさと社外品の「718用インパネの枠」が出ることを期待です。

このあたりの事情は、現行のマツダデミオのマツダコネクトと似ていますね。純正簡易ナビの出来が酷評されていましたが、汎用性のない構造であり交換しにくいことが、さらにたたかれていた印象です。

最初にどれだけ出来が悪かろうと、汎用品が世界を制してきたのは歴史の事実です。
すくなくとも、日本のユーザーはポルシェにナビのできを求めていないでしょう。そのあたりは日本のユーザーを知り尽くした、日本のナビ製造会社に丸投げしたほうが良いのではないでしょうか。
わたしも987ではカップホルダーにポータブルナビをつけていましたが、とくに不満はなく良い方法だったと思っています。



ここまでいろいろ書いてきましたが、718で感じたことはサウンドが今一つということに尽きます。

これまで散々インプレを書いてきましたが、スポーツカーで大切なのは、決してパワーではなく「サウンドと回転フィール」だろうという信念は揺るぎません。今回はその大切な二つが後退したように感じるわけです。

セールスマンによると、「6気筒を知っている以前からの客ウケは悪い」、「新規の顧客のウケは良い」ということらしいです。つまり、私は前者に当てはまるのでしょう。
987や981ユーザーもだいぶ試乗しているようですが、「今のを大切に乗ります。」という感想が多いらしいです。

ターボ化されたカレラの6気筒の評価は高いらしいので、4気筒化というところが今一つなのかもしれません。

GT-Rに飽きたら、981の中古でも探して乗りましょう。あるいは、数年後のマイナーチェンジで音は改善されるかもしれませんね。それまで待ちましょうか?
あるいは、GT-Rを売ってリーフの中古でも買うかもしれません。初期型リーフのスポーツカー度はボクスターに劣りません。実は隠れた、極めて優れたスポーツカーです。

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