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「最善の妥協 V型エンジン」 モーターファン Vol89 [GT-R]

モーターファンイラストレイテッドのシリーズは、個人的には毎月購入しています。きわめてテクノロジーオリエンテッドであり、すがすがしいほどその方針が貫かれています。

今月号はV型エンジンについての特集でしたが、GT-RのエンジンであるVR38のことも出てきます。そのあたりのことを含めて、記事を紹介してみたいと思います。

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このシリーズは、記事の構成からバックグラウンドにある考え方までが非常に共感でき、いつもとても面白く読んでいます。1700円と高い雑誌ではありますが、内容を考えると安いといつも思います。
ただし、とてつもなくおもしろいときとそうでもないときがありますが、今月号は相当興味深いと感じました。「V型エンジン」というものに焦点を絞って書いてあり、V型というエンジン形式をいろいろな側面から切っています。

しかし、「妥協の産物」とサブタイトルにある通り、そもそもV型という形式が最高のエンジン形式であるとは、だれも思っていないでしょう。特にその妥協という面が強いのがV6という形式だと思います。
途中に林義正氏の話がでてきますが、V型には「全長の短縮」「剛性の確保」「重量の軽減」以外のメリットはないとバッサリ一蹴されていますね。ちなみに、この3つは究極的には同じことを意味しており、要するに「コンパクト化できる」ということだと理解しています。
ただし、性能でも振動でも最高ではないにもかかわらず、V6は中型車ゾーンでは結構多く採用されているところが、いろいろな面を考慮する必要がある市販車の状況をよく示しているようです。前述の林氏の記事でも「V型の中でもV6はいちいち問題が多いんですよ」と書かれています。
林氏の考えでは、一番よい気筒配列は直列6気筒だそうです。ちなみにV12もよいらしいですが、まあ直6を2つ並べたのがV12だから当たり前ではあります。もちろんこの2つは2次以下の振動が基本的にありませんので、優れているのは当たり前かもしれません。トラックなどのエンジンが直6ターボディーゼルに収れんしつつあるのもこのあたりの影響なんでしょうか?
ちなみに、水平対向6気筒も振動特性がきわめて優れています。ケイマンの水平対向6気筒エンジンのまわり方は絶品でした。ほとんど振動がなく、高回転域まですっきりと雑味なく吹け上がっていきます。これまでに乗ったどのエンジンよりまわり方はキレイでした。

ということで、そのあとの記事ではV8のクロスプレーンクランクとか、シングルプレーンクランク(市販車ではフェラーリくらい?)の違いなど、マニアックな話題が目白押しです。

とおもいきや、スバルのFB16の話も出てきます。レヴォーグに搭載されるエンジンはFB20も面白いですが、そのことには一切触れていません。FB16の話だけです。しかし、読めば読むほどFB16には期待してしまいます。友人もスバル車を買うといっていましたが、FB16を積んだレヴォーグが出るまで待つように勧めました。しかし、その人はいまはEZ30にのっていますが、まったく車に興味がなく「1.6Lしかなかったら、下にみられそうだ。」とか言っていました。そういう人にはFB20ですかね? どう考えてもテクノロジー的に面白いのはFB16だと思いますが・・。

あとは突然グッドデザインの消防車の話が出てきます。モリタの「Wild Fire Truck」というコンセプトカーですが、超かっこいいです。デザイン賞を取ったらしいですが、宇宙船のようなすばらしいデザインです。このまま市販してほしいです。




中ほどに、4ページにわたってVR38の記事が出てきます。性能を上げていく過程などのことが詳細に記載されています。この記事は最高に面白かったです。決して自分が乗っている車に搭載されているから面白かったということではなく、GT-Rという特殊な車に載っている、変化球のない正攻法なエンジンというところに感銘を受けました。

なおVR38DETTというのは、GT-Rのエンジンの型番です。日産(だけではありませんが)では、ブロックの形式と、カムや過給の有無などをエンジンの型番に含めています。VR38DETTというのは、V型で3.8L、DOHCでツインターボなどということなどを示しています。

そもそも、VR38は100ps/Cylinderという超ハイパワーエンジンですが、最先端の機構というものは全くありません。60度V6、ポート噴射、バルブ直動式、吸気側のみカム位相可変ということで、字面からみると特別なものはありません。それにブロックだって基本設計はVQと同じだそうです。
ターボと組み合わせると有利なシリンダー直噴、バルブリフト可変、可変ジオメトリーターボなどは採用されていません。(ちなみにこれらはポルシェの991ターボにはすべてついています。)

自分のGT-Rで全開にして550psを炸裂させたことはまだありませんが、別に高回転まで回さなくてもフィーリングは悪くなく、トルク感はすごいです。振動特性の悪いV6ですが、そんなにガサツに回る感じもなく、あまり存在感なく信じられないような加速をする、不思議なエンジンです。もちろんスポーツユニットに分類されるのでしょうが、ラクに速く走るという特性のみを追求したのでしょう。車全体から感じる「レーシングカー的雰囲気」はVR38からも感じますね。


途中に「現状のGT-Rの車両価格は世界のスーパー・パフォーマンスカーの常識からすると奇跡だ」と書いてあります。まさに奇跡でしょう。
GT-Rは安い車ではありませんが、中身を知れば知るほど、信じられないほど割安な車だと思います。2014モデルでは初期型より130万くらい値上がりしましたが、それでも高くないと感じます。(07が安売りしすぎだったのでしょう。)

記事の最後に、「GT-Rが日産にもたらした利益は、有形無形ともに大きなものに違いない。(中略)買った人に日産ブランドへの強烈な支持を取り付けたことと、買わない人にも何か夢のようなものを語りかけたことだ。」という一文があります。
この文章には感動しました。自分はGT-Rに乗り始めて半月くらいですが、GT-Rという車は高級車というくくりでは未完成であり、粗削りなところが多く残っています。しかし、マーケティングから生まれた車では決してなく、いまどきの車には珍しく、作り手の魂が感じられる稀有な車です。
その「なにか夢のようなもの」に突き動かされてGT-Rを買いましたが、ケイマンに劣る部分は多々あれど、買ってよかったと心から思います。そしてこの文章をみてますますそれを思いました。

自分のような違いの判らない人間が乗るのはおこがましいような気もしますが、すでにGT-Rは工芸品に近い領域にあるような気がします。その意味で骨董品趣味と似たような感じもあります。
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